2018年3月2日金曜日

2017年秋くらいの短歌(2) 革命闘志

肯定も否定も水から煮立たせて食べたらやわい鍋になるだろ

恋文か遺書にもなれる便箋に拝啓、あなたへ手紙を書くよ

死にに行く猫の道筋一人行く出来れば虎の歩幅で行こう

輪郭の甘い誰かを見つけ出す昼間に上がる花火みたいに

肯定も差異も全部は許せない油性マジック塗り潰す黒

君が呼ぶ私の名前のようなものこの世で一番きれいな響き

モチーフとして滅ぶ傷痍軍人にダムに沈む村、革命闘士

どうしようもない夜が来て朝が来てどうにかできるだけの毎日

好きになる人がたくさん出来たから来世で自慢できるねきっと

淋しいと口に出せたら幸せで冷蔵庫にでもしまう後先

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