2017年8月25日金曜日

2017年7月の短歌(2) 数十回かの夏だ

 
口含む花びらびらびら虐げる余計な気分で遊ぶ月曜

悪意ってかわいいねケーキ尖塔の苺を盗むようなレベルで

鏡見ていらない楔だと思う顔はいつでも両親に似る

重たさを強さと同じと思い込む底に溜まったただの泥でも

特別な存在として飴を食む好きに気高く生きれよすべて

ひび割れの激しい指を寄せ集め淡い卑屈な祈りをこなす

誰からも好かれるような顔をして愛されたいと口唇を噛む

持つ方と持たない方に分けるだけ湯むきトマトの歯型は崩れ

付箋紙の糊並み剥がすくっつける社会生活かろうじていま

しみたれた感情なんて焼き尽くせ死ぬまで数十回かの夏だ

銀色の靴を履いたら強風が背中を押すよ魔法みたいに

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