2017年8月18日金曜日

2017年7月の短歌(1) 大声がいい

処方箋のない淋しいを分かち合う野良猫だまりみたいな夜だ

出来合いのもので満ちてく胃袋と空っぽの頭越えて満月

融通の利かない便利な世の中で私だらけの善意を溶かす

雨よ風もっと急き立て強くなれ泣くのはできれば大声がいい

聞こえてるすごい雨だねそうだよね閉じ込められた1Kふたり

泥水の上澄み外面撹拌しいつか中指突き立てる日に

淋しいと口にするほど飢えてなく代わりに優しい夜食をたべる

近付いて死ぬような毒きみのこと好きだと思う自分が好きだ

誰もいない朝の浜辺で丸くなる貝殻拾いの旅に行きたい

他の人にぶつけられる程度その悪意もっと底から羨んでいる

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