2017年5月12日金曜日

題「アルコールの歌」 歌会たかまがはら3月号

歌会たかまがはらさんで、2017年3月「アルコールの歌」というお題で
短歌募集をされていました。
気になった短歌をご紹介。

さんぐりあきれいなものは死んだってきれいなまんまだねサングリア
(西村曜さん)

おだやかに生きていきたい本名もビールの注ぎ方も忘れて
(Y川さん)

まだグラスなき生活にきみが来てマグカップへとビールを注ぐ
(辻聡之さん)

Wikipediaの酒のカテゴリを見るとワクワクします。
生と死、その間の生活につきまとうアルコールの数々、
希望でもあり絶望でもある長い時間に、つきまとう。
これ以外の組み合わせがないだろう、と思わせる言葉を選択して
切なくなってしまうくらいの歌ばかりでした。


自分は下記を投稿。

メンヘルがメルヘンに見え青い鳥探す足取りとろけて重く
カブトガニは血の半分を無くしても生きてる深夜そういう話
淋しさにバランスは無く壊れてく不協和音はラム酒の香り
水墨画みたいな夜に酒を飲み極彩色の馬鹿をしようか
セクシーな金髪美女に誘われ今宵も安い酒を買い込む

2017年5月5日金曜日

2017年3月の短歌(3) 等しくきれい

こころざす道はほうぼうあるけれどイヌノフグリは等しくきれい

大切にするって言ってゴミを見る目でめちゃくちゃに壊してみてよ

いつ死んでもいいやだなんて桜、背に笑顔だきみは嫌になる程

単純で陳腐な終わりあなたって白雪姫の王子みたいね

淋しいの形のままで痕になる誰もお前を愛しちゃくれぬ

幸福は抱き潰せる雛弱くって壊さずいるのは無理だと思う

傍らに誰かの熱を置くことを覚えさせたの誰だか知らぬ

ぜいたくや欲は独りを駄目にする甘い弱さは独りを壊す

しおりごと雨の匂いを挟み込む穏やかすぎてただただ怖い