2017年4月28日金曜日

2017年3月の短歌(2) 不機嫌、否決

 かわいそうかわいい私は永遠に一人でこなす楽しい世界

伏線を回収するよう動いたのこのサヨナラは至極当然

愛情を言葉にしたらおしまいと君が言うからおしまいにする

退屈を買えば卑屈も付いてくるそういう風に過ぎてく夜明け

役割を与えられ与えうなずいて人生全てをやり直せたら

冬が去りまたかなしさを忘れるよどこかに潜む誰かのなごり

幸せになりたいなんて知らないの妖怪人間ベムの結末

好きだって言えば交渉になる町であなたのことを嫌いと言えない

出汁のきく玉子焼きすら輝いてわたし由来の不機嫌、否決

2017年4月21日金曜日

2017年3月の短歌(1) 隠さない主義

謝れよ感情だけで説き潰す他人のことをとやかく言って

ゆるゆると緩慢な死を待ち受ける日々は酒ごと流してしまえ

本当に貝になれたら良いのにね雑に過ぎてく性愛のこと

なんらかの救い求めて行く道にあなたがいない選択をした

問いかけは面白いほど醜くてねえ今わたし笑ってるでしょ

住む町を決められなくて一人いるその場さすらう喜びだとか

押入れの中に入ったあの頃の私まだ見てる秘密の夢を

週末はあなたのために髪を結う内出血は隠さない主義

さびしいはやたら静かに噴火する煙草の先の火の色みたく