2016年9月30日金曜日

2016年8月の短歌(1) タッパーの数

葬列の影は長くて踏み出せずやたらうるさい蝉の鳴き声

憧れは着たきり雀の切望で永遠であるさよならパルコ

ベランダで干からびて死ぬ蝉のごと一所懸命愛をばら撒け

劣るのはどこにでもある感情で好意はとても醜い、きっと

冷蔵庫内タッパーの数増やし強制的な日常を追う

週末にひとつ花束買うように心ざらつき撫でる深切

道に咲く花々吐瀉物たかる鳩わたしの願いは生きていくこと

一つ嘘吐いたら残りは真実とゲーム思考で過ぎてく惰性

底にある蛙帝国茹で上げて立派な私を褒めてください

ベランダにカーテン干して寝転んで出来れば猫を愛でていたい日

うちに来てグラタン作ってくれるなら好きと言わずに終わってもいい

生きてても捨てたいものが多過ぎる世界に占める僕の割合

2016年9月23日金曜日

雑記 どうしたら私は無知を許さずに済ませるだろう

2016年9月初頭、ごく一部の短歌作者界隈で起きた問題?
につき、あまりにも無知すぎて自分を呪いたくなったので
理解メモと、思った事の雑記。

web検索した著作権印税について以下理解のまとめ。

wikipediaから自分の解釈なので曲解していると思います。
詳細の確認は、ちゃんと法律の原典に当たってください。

■著作物は、作者の感情・思想が表現されたもの。
短歌はこれ。著作者は短歌作者に該当。

■(参考)複製権
コピーする権利。 引用元非記載メディアはアウトかと、うん。

■印税
著作物の利用者(出版社)が、著作物(短歌作品)を
利用するのに、著作者(短歌作者)に支払うお金。
書籍出版物は、
「定価×印刷部数(若しくは実売部数)×一定割合」
の印税が出版社から著者に支払われる。

以下は個人的に思ったこと。

出版物の増刷に次ぐ増刷、企画は大当たりなだけに、原因を邪推。
出版社発信の文面は、誠意ある対応をしている、と感じましたが
著作者の指摘が仮になかったら、どうなっていたのでしょうか。
 
自分には今回以降、無関係になると想定してますが、
いろんな人に見てもらえて嬉しい、と好意的な気持ちに依存し、
声を上げられない作者の不利益にならない事を祈ります。

関連してコピーメディアの転用、印税支払いの方法、
クリエイティブコモンズのことなど語ると、無知ゆえに
長文かつ過激になりそうなので控えておきます。

2016年9月16日金曜日

テーマ「スポーツ」 うたらば第99回

たらばさんで、「スポーツ」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

「位置について」の「位置に」がどこかわからない なのにピストル鳴って人生
(西村曜さん)

とおつひとマツダスタジアム沸きたれば人間の血は広島のいろ
(牛隆佑さん)

血沸き肉躍る体育の祭典がブラジルであったらしいですが
冬季五輪の方が好きなんですよね、見てて楽しめる競技が多いから。
夏のスポーツは過去の苦行(水飲んではいけない世代)を
思い出してつらくなる。

今回はスポーツを楽しむリア充短歌なんでしょ?と思ったら
なんとまあ、すごい。人生そのものがスポーツである。
広島カープ、25年ぶりの優勝おめでとうございます。

自分は下記を投稿。

水色のプール塩素の匂いして見えぬ太陽あなたを想う

美男美女しか恋なんて許されぬ誤解を解いて走れダーリン

十五歳極度にしなる右腕の放物線はセンターを越え

2016年9月9日金曜日

2016年7月の短歌(3) 蛾でもいい

月並みな不幸にいっとう憧れて薄いカルピス飲み干せば夏

左手の中指第二関節の手前の深さきみの口蓋

責任を果たせないから望めない安い不幸に慣れすぎている

来世でも名前を呼んでもらえれば例えば蛾でもいいとは思う

舌先で溶けてく安い頭痛薬やさしいなんて容易じゃないよ

優しさを剥製にして手に取って無残な日々を撫で回してる

色のある雨降る景色どこにでも水の匂いは静かに甘い

最悪のシナリオだけを考えて過ぎてく夏を羨んでいる

苦しいと飲みたい薬は別々でプラスチックのぞんざいな味