走ってもどうにもならない夜だから乱視で探すこぐまの星座
鯛焼きを一匹二匹と数え上げ腹を膨らす餡の残虐
背中押す優しさなんて持ってない蹴飛ばすだけの乱暴がある
つむじから髄液が出て気化をして竜になったら叫べばいいよ
錆びついた金属製の階段はう、み、は、ひ、ろ、い、な、奏でてみたり
耳鳴りの高鳴る夜は胸も鳴り眺める過去の英雄譚よ
友情の地獄のような果てにいて一人終電逃してはいる
かけられる優しさのせいで露呈する汚いだけの指針とやらの
正しさが欲しくて欲しがるペパミントメンソール氷すべてを冷やす
奪い合い求めて与え私には死刑宣告みたいな言葉
1ミリも残されてない杯を振り眺める朧月の黄身色