2023年12月22日金曜日

2023年7月~2023年12月くらいの短歌

日傘差し許せるものも許せなく太陽光線すべてを燃やせ

海水がしょっぱいことを失念し骨を撒くなら海へと言っちゃう

アイドルの卒業並みのお涙で淋しい自分を露出している

何回も読んだ手紙を読み直し気持ちにお名前シールを貼るの

新しく名前をいくら覚えてもまんさくの花は来年も咲く

夢の中の女みたいなやり方で子供時代の自分を抱いた

輪唱のように私の欲が鳴る飲み屋芋ロックイチ芋ロックイェス

2023年1月~2023年6月くらいの短歌

壊すなら最初から持たなければいい軒下の梅は来年も咲く

関係を不可逆圧縮してくのに良い思い出が邪魔をしてくる

赤青黄光の三原色で埋め目の前の人を消してしまおう

人混みの中でどうにも叫べなく真夜中オーブン鳴らすグラタン

生活に必要なものは多すぎて私一人の重たさを知る

けいけいはくはく軽薄はく、重たい気持ちは他人に乗せる

帰りたい家を持たずに町へ出る多分全員迷子の渋谷

雑に撒く水しぶきに虹反射して多分私が死んだ夏です

選択を誤ってたって生きていて月が落ちない事を知ってる

できるなら幸せになれと祈るけど、※できるものなら、注釈がつく

人間は救いようがない(主語がデカい)それでも互いを戒めてゆく

誰からも愛されるようななりをした明るい遺跡に囲まれている


2023年12月1日金曜日

2022年8月~2022年12月くらいの短歌

誰も知らぬ午前三時のよるとあさ自己嫌悪から救われたいよ

蜜月と呼んだらお前を殺しちゃる過ぎたる日々の窓辺に光

淋しいから先に死ぬなと言ってたねあなたは雪を口に含んで

いくらでもお金を出せば海だって天国だって行ける気がした

仰向けの蝉見て綺麗に死にたいって随分傲慢になったと思う

自己愛が流れ着くさき砂浜に三角座りで待ってますから

死ぬ時に思い知れれば良いだろう恐らく多分きっと幸福

アイキャントアンダースタン長生きを良いものとして推奨します

柄入りの食器揃えて暮らしたらきっと一緒に落ちれる地獄

世界征服望まなくても生きている帳尻合わせの毎日だもの

悪夢では黒い大きい犬の口わたしの名前を咀嚼するくち

起きてても寝ても両方悪い夢でかい蝶々光る鱗粉

明日には夜空の星が全部落ち眠れぬ人に降り注ぐのだ

いもしない神様名前なぞる指ささくればかりが色付きのまま

生きるのに要らないものは多すぎて本の塔から飛び降りる猫

遠くまでいくら走って離れても生まれた町は雪深いまま

2022年9月2日金曜日

雑記 不眠・間欠泉・種々の

デパート催事などで酒蔵の出張試飲コーナーが好きで見かけると吸い寄せられてまんまと買ってしまう。

おいしい!おいしい!を連発してるとどんどん色々飲ませてくれる所も好き。

一升瓶で純米吟醸を買ったばかりなのに、折からの不眠がひどくなり睡眠導入剤を飲むことになった。

酒と薬を合わせてはいけない。バッドボーイミーツガールしてしまう。

amazonプライムビデオでジャック・リーチャーがドラマ制作され、本当にああいうhobo的生き方に強く憧れる。

しかし残念ながらここにあるのは間欠泉のような怒りを感じやすくストレスをためやすい肝臓だけは自称強靭な弱い肉体である。

どこでも通用する人間にもなれずこんなにダサくなっちゃった!みたいな感想しかない。

今の自分が過去の自分より客観的に良い属性なのがまた馬鹿らしい。

古い友人たちとまだ仲良いことだけがパンデミック危機下の救いか。

2022年7月29日金曜日

2022年4月~7月くらいの短歌 しょうちゅう

執着と名前をつけたお気持ちに別れる駅で見送られてる

大丈夫大丈夫だって言う指で缶ビールタブはめちゃめちゃになる

終電を逃した人らを寄せ集め隠れん坊の鬼を見つける

屈強な肉体精神持たずして生傷覚悟の毎日である

しょうちゅうの氷が溶けて柔らかい不幸自慢で笑うからから

クッキーを焼きもしないし食べもしないしかれど型は矢鱈と欲しい

誰かしら愛せないから誰からも愛されないんだ、飼い猫に言う

憂うつの湿度は高く二枚爪人間性を試されている

夏を背に映画みたいに笑ってるいっそこのまま後悔したい